CO-NECTテックブログ

CO-NECT株式会社開発部門のブログです。テック関連の情報を発信していきます。

BtoB SaaSのスタートアップはフルリモート化でどう変わったのか

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CO-NECT株式会社の川崎です。7月20日(月)にマイクロソフトさんのオンラインイベント「これが私のおすすめリモート開発事例」に登壇させていただき、「BtoB SaaSのスタートアップはフルリモート化でどう変わったのか」というタイトルでお話しさせていただきました。

msdevjp.connpass.com

 

もともと弊社はマイクロソフトさんのスタートアップ向けプログラムである「Microsoft for Startups」に今年の2月から採択されており、その一環でお声がけいただきました。なお、Microsoft for Startups は、参加特典が充実しており、Azureを使ってシステム開発などをされている会社さんにとってはメリットの大きいプログラムとなっています。その他にも様々な良いことがあるので、興味のある方はエントリーしてみることをおすすめします。

startups.microsoft.com

 

さて、本題です。以前の記事でもお伝えした通りですが、弊社では新型コロナの影響で原則リモートワークを継続しています。まさかここまでリモートワークが継続するとは思ってもいませんでしたが、実際に運用してみると様々なメリットと課題が浮き彫りになってきました。全員出社が原則だったコロナ以前と、リモートが原則になったコロナ以後でのチームはどのように変化したのか。それをまとめた表が以下となります。

 

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 コロナ以前の項目については、まあよくある話なので割愛しますが、コロナ以後の運用になってどのあたりが良かったのか、課題が残るのかを書いていこうと思います。以下は弊社エンジニアの声をベースにまとめています。

 

 

原則的に全員リモート出社

良かったこと
- 通勤時間がなくなったことで体力的に楽になった
- 自宅とオフィスが遠い人ほど時間の節約ができる
- 家の方が開発に集中できる
- 気分転換に運動にでかけたりするのが容易になった

 

課題
- 家庭環境によっては集中できないこともある
- 本番作業時のストレスは増えた
- 気軽にお酒を飲みに行けない

 通勤時間がなくなったことで体力的な負担がなくなったという声がありました。これはたしかにごもっともかと思っていて、リモート前提の生活の中でたまに出社すると、なんで移動にこんな時間をかけているんだと不思議な気持ちになります。

もともとの大前提として出社が当たり前の世界から、突然在宅が基本の世界になったというのはかなりドラスティックな出来事です。また在宅での働きやすさは個人差があると思いますので、独立した仕事環境が確保できる人にとってはオフィスより快適かと思います。

ただ私のようなお酒好きにとっては、仕事後に飲みに行けなくなったのはちょっと寂しいですが、これはリモートワークが原因というよりもコロナが原因ではあるので、諸々収束したらそんなに気にしなくてもよいはずですね。

 

プロジェクトごとのMTGは原則廃止し、日次のオンラインMTGを厚めに実施

良かったこと
 -話す時間が確保されたことで、気軽になんでも話せる環境になった
- 相談事項や進捗報告の習慣化がなされた
- 画面共有で仕様の認識合わせが容易になった

課題
- 気が向いたタイミングで雑談、というのが難しい

 これはリモート化をきっかけに弊社内でのコミュニケーションのスキームが変化したというのが大きいです。もともと顔を合わせて仕事をしていたので、雑談をしたり、ちょっとした相談事項を話していたりしたのですが、リモート化でそれがなかなか難しくなってしまいました。

もちろん、Slackで常時接続されているので会話をしようと思えば可能です。ただ空気感というかその場の勢いみたいものを感じることは難しく、雑なコミュニケーションは取りにくい状態になりました。ですので、仕組みとして毎日30分から60分程度、決まった時間に開発チームで集まる時間を決めて、そこでいろいろ話す、みたいな運用を始めた感じです。これが意外とよくて、良い意味で状況共有の習慣化につながりよりオープンなコミュニケーションができるようになったと感じています。

 

週次のMTGはオンライン化で継続

良かったこと
- 日々の進捗確認は日次MTGに集約されたので、勉強会的なことや、ディスカッションの時間として活用できている
- 1週間の総括として、頭の整理に役立っている
- 中長期的な開発計画の認識あわせに役立っている

課題
- 日次MTGとの内容がかぶることがある

 いままで週次で行っていたチームMTGのあり方の再定義につながりました。毎日の定例MTGで細かい調整やら進捗やらは共有されるようになったので、週次のMTGではより中長期の開発計画やディスカッションに使うことができ、情報の整理に役立っています。

 

基本的にはテキストコミュニケーションベース

良かったこと
- テキスト情報は最初から要点が整理されているので理解が早まった
- 他チームメンバーからの口頭での仕様相談などがなくなったので、開発業務に集中できるようになった
- オープンなコミュニケーションが前提となったため、全員の進捗がクリアになった

課題
- 日常的に接点が少ない人とはより一層絡みがなくなった
- 会話の間を読むのが難しく、ドライな書き方になると怒られているのかな?と感じることがある(話すと怒ってなかったりする)

 フルリモート化の醍醐味はここにあると思っています。リアルに顔を合わせないことでラフなコミュニケーションは取りにくくなった一方で、ほぼ全ての情報がテキストに集約されるのでインプットが楽になりました。

今までは俗人的になりがちだった仕様の話も、しっかりとテキストでコミュニケーションが取れれば情報として残りますし、複数人に展開するのも容易です。もちろんテキストだけでカバーできないこともありますので、その際はビデオMTGも交えてコミュニケーションをとりつつ、議事録を作ることも大切です。

とはいえ、基本は相手の顔を見ずして会話をするわけで、人によっては「なんでこの人怒っているんだろう?」とか実際に怒っていなくてもミスリードするリスクはありますので、より丁寧な会話が求められる状況にはなってくるはずです。

 

*当日の資料です。

www.slideshare.net

まとめ

フルリモート化は弊社ではたまたまフィットしている感がありますが、業種業態や、会社の規模などによっても向き不向きがあるのかなとも思います。特にテキストで情報をまとめるのが苦手な人は、自分の言いたいことをうまく伝えられず、相手にも分かってもらえず、しかも温度感も分からずちょっとずつ、ずれていってしまうとかありそうなので、自社の体制に最適なコミュニケーション手段を模索していくのが大切なのかなとも思います。

 まだまだコロナ収束の目が見えない中、いかに社員のコロナ感染リスクを抑えつつ業務のパフォーマンスを上げていくのかというのは日本全体の課題であるとは思っているので、部分的にでもリモートワークを導入する企業は増えていくはずです。

 弊社で開発している受発注システムCO-NECTは従来の受発注業務をデジタルシフトさせるためのツールですので、コロナ禍において一定の効果を見込んでいます。業務のデジタル化による生産性向上は重要課題でもあるので、必要な人に届いて欲しいと思っています。

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